ビルトインコンロ選び
４つのタイプ別ヒント2024年秋

●ビルトインコンロのトレンド情報　2024年秋

専用調理器具の魅力と実力　コンロに同梱、とっても便利な付属品

グリルとは、言い方を変えると「お魚焼き」の部分です。ビルトインコンロにとって、使用後のグリルのお手入れは長年の課題でした。魚を焼いた後の油はね汚れは、落とすのが難しい上、放っておくと錆びて故障の原因にもなります。そのため、グリルの使用を敬遠する方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなグリルのお手入れ問題を解決したのが、専用の調理器具でした。
パロマが発売した「ラ・クック」は、魚を専用の調理器具に入れて、フタをしたままグリルで焼き調理ができました。フタがあるのでグリル庫内の油はね汚れは激減し、使用後のお手入れは格段にラクになりました。しかも、その焼き魚にはしっかりと焦げ目がつき、美味しく仕上がりました。 一方で、グリルを焼き調理だけではなく、様々な用途に幅を広げる調理器具も登場しました。ノーリツのビルトインコンロ「プログレ」に同梱されたフタ付き深型の「キャセロール」。キャセロールは、蒸し調理や煮物、パンのほか、さまざまな調理方法の自動調理を実現しました。 それ以降、調理器具はさらに進化を遂げ、使いやすくなっています。それでは最新の専用調理器具を一部ご紹介しましょう。調理器具は、大きく分けて２種類あります。ラ・クックのように焼き調理に特化した専用型と、「キャセロール」のように多様な調理モードを実現するための調理器具の万能型に分けてご紹介します。

◇万能型調理器具

● リンナイ：デリシア付属品「ザ・ココット」
● ノーリツ：プログレ付属品「キャセロール」
● パロマ：オプション品「ラ・クックグランポット」

いずれも深さのあるフタ付きの専門調理器具で、炊く、煮る、蒸すなどをはじめとする多目的な調理に対応できます。
「ザ・ココット」は、リンナイのビルトインコンロ「デリシア」が搭載する豊富な機能の実現に不可欠な道具です。スマホアプリとデリシアを連動させて、アプリの指示通り食材をザ・ココットに準備し、点火ボタンを押すだけ。アプリから指示を受けたデリシアが、火加減の調節を調理完了まで自動で行います。アプリは食材など検索しレシピを探せる献立支援にも役立ちます。少ない手間で、いつも安定したおいしさの料理が出来上がり、家事の負担も軽くなることでしょう。

◇専用型調理器具

焼き調理専用調理器具
● リンナイ：「ココットプレート」「トースト・ピザプレート」
● ノーリツ：「波型プレートパンLグラネ」「ロティプレート」
● パロマ：「ラ・クックグラン」

グリルでの焼き調理で、グリル庫内の油はね汚れを軽減するフタ付きの調理器具、リンナイ「ココットプレート」、ノーリツ「ロティプレート」、パロマ「ラ・クックグラン」。
焼き調理器具でも、ジューシーな仕上がりにこだわったプログレ付属品「波型プレートパンLグラネ」や、パンやピザをふっくら焼き上げるデリシア付属品「トースト・ピザプレート」など、よりおいしく調理することを目的とした調理器具も登場しています。
ただし、プログレの同梱される波型プレートパンLグラネは、フタとなる「油はねガードL」が別売りとなるので、注意が必要です。専用調理器具がビルトインコンロに同梱されているか否かは、購入前に確認しましょう。

＜お手入れのしやすさも、見た目も大事。天板を選ぼう＞

ビルトインコンロは、お手入れのしやすさを向上させるため、デザインはシンプルで、よりフラットになってきています。お手入れを必要とする部品の数は少なく、小さくなりました。
天板の材質はおもに2種類、ガラスとホーローが主流となっています。ごとくは、高級感のあるステンレスか、汚れの目立ちにくいホーローです。天板やごとくは、清掃性だけではなく、美観を大きく左右します。好きなデザインであることは、長く使う上で大事な要素です。

◇天板

・ガラストップ
水分や油分を弾き、サッと拭くだけでも汚れが落ちやすいのが特徴です。ガラス天板は光沢があり、デザイン性に優れ、キッチン空間を明るくするので大変人気があります。
ガラス天板では、従来グリル使用時に高温になる排気口周辺部分は、ガラスではなくアルミなどの金属プレートを用いていました。そこを金属プレートにせず、一面ガラスの広々とした天板にすることで、よりスタイリッシュに仕上げたガラストップが、現在のトレンドとなっています。


・ホーロートップ
鋼板を、ガラス素材でコーティングした天板で、衝撃に強く丈夫で割れにくいのが特徴です。ガラストップと比べ、安価であることもメリットです。
パロマのホーロートップを「ハイパーガラスコート」と呼び、高いホーロー技術によって、より艶やかで丈夫なだけでなく、油汚れも染み込みにくいので日常のお手入れも簡単です。

・アルミトップ
アルミは熱伝導がよく、天板が熱くなりにくいため、汚れが熱でこびり付きにくいのが特長です。ノーリツの「オルシェ ラックリーナ」は、アルミトップのお手入れのしやすさを商品特性として発売しました。
ただし、アルミは材質がやわらかいため、固いものをぶつけるとへこみができることがあります。

・ステンレストップ
主に業務用ガスコンロに採用されています。国内の家庭用ビルトインコンロではノーリツの「+do」のみ。頑丈で錆びにくく、ピカピカに磨き上げることもできるのが特徴です。

◇ごとく

・ステンレスごとく
美しく輝く見た目が特徴で、サビに強くて耐久性に優れています。ただし、ステンレスは熱により青黒く変色します。


・ホーローごとく
色がブラック系で、キズや汚れが目立ちにくいのが特徴です。長年の使用で塗装が剥がれ、サビが生じることがあります。


・全面ごとく(オプション品)
ごとくが小型化されたことで不便になった点は、鍋ずらしができなくなったことです。ごとくがコンロ幅ほどの長さだった頃は、鍋を横にずらしたり、バーナー脇に仮置きすることが容易でした。全面ごとくは今も多くの飲食店で活躍していますが、家庭向けのビルトインコンロでは全面ごとくはオプション品として購入することができます。
2024年8月、ノーリツがステンレス製全面ごとく「ストーブグレイツ」を発売しました。重厚感のあるステンレス素材で、圧倒的な存在感の全面ごとくです。鍋ずらしをするような本格的な調理環境を望む方には、おすすめのオプション品です。
ストーブグレイツ対応機種は、「オルシェ」、「ネスト」、「ミッケ」「ファミ」(2口タイプは除く)の4機種です。

＜「安全性」で進化したビルトインコンロ＞

現在販売されている家庭用ガスコンロは、すべての点火口に安全センサーの取り付けが義務づけられています。これは、ガスコンロの消し忘れによって起こる火災や、使用中に火が立ち消えてしまった時のガス漏洩を未然に防ぐための装置です。
安全センサーは、あくまで最低限度の安全装置ですが、そのほかにも様々なシーンに対応する安全機能を装備した機種があります。使用者の年齢や、同居家族に必要な安全対策を選ぶことができます。下記は、その一例です。

◇感震停止機能
震度4以上の地震の揺れを検知したらガスを止める機能。


◇鍋なし検知機能
コンロの上に鍋を乗せないと点火できない装置。また、火から鍋を離すと、火を小さくして、鍋を戻さなければ、消火します。

◇ロック機能
ロックをかければ、点火ボタンが押せません。小さなお子様や、ペットの誤操作による点火を防止します。

◇音声ガイダンス機能
わかりやすい言葉で、スピードや間も、シニア世代に聞き取りやすい音声でアナウンスする機能です。

＜調理サポートしてくれる便利機能を活用しよう＞

ビルトインコンロは、調理中の鍋底に安全センサーを接地して、温度を検知しています。温度がわかると、様々な調理で有効に役立てることができます。
機能が多くて、はじめから操作ボタンを使用していない方も多くいますが、一度使ってみると、その便利さに驚くはずです。使えば調理の手間は軽くなり、調理ミスを減らすことができます。

◇温度調節機能
好みの温度を設定すると、設定温度まで加熱し、設定温度に到達すると、鍋底の温度を維持するように火力を自動でコントロールします。
たとえば、揚げ物をする際は、油の加熱や、食材を入れたあとの温度管理などが自動で制御できます。温度管理の手間がなく、安定しているので、揚げあがりにムラができにくくなります。


◇炊飯機能
自動制御でガスで炊くごはんを実現します。機種によっては、おかゆや早炊きなど、炊飯モードを選ぶことができるものもあります。

◇アプリ連動機能
スマホアプリとビルトインコンロを連動して、自動調理で料理を仕上げる機能です。グレードの高い機種ほどアプリ連動機能は充実しており、専用調理器具を使って、手軽においしいを実現します。


◇温度クック機能
ノーリツのオルシェに搭載されている機能で、調理中の鍋底温度を操作パネルで表示します。希望の温度で「温度キープ」ボタンを押せば、火力を自動調整して温度を一定に保ちます。
勘や経験に頼っていた調理が、温度が目でわかることで、調理の失敗を減らし、使う人を料理上手にしていくという機能です。

●ビルトインコンロ選び4つのポイント

＜売れ筋商品＞

ビルトインコンロを、お手入れのしやすさ、使いやすさ、安全性、見た目のよさ、妥当な価格という評価軸でみると、人気機種ほどバランスが取れていると思います。
2024年度の東京ガスライフバル台東/荒川/墨田で、販売台数が最も多い、売れ筋の商品をご紹介します。

◇リッセ(リンナイ)

2024年ライフバル台東/荒川/墨田で最も売れている※ビルトインコンロ。シリーズとしては2014年にリリースされ、その後改良を重ね、今年9月に再リニューアル。
キッチンに馴染むような落ち着いたカラーのガラストップ。操作部は汚れのつきにくいステンレスでお手入れ性がよく、安全面では震度4の地震がきたらすぐに消火する安心の感震機能付き。
グリルの上火バーナーは、家庭用ではリンナイ・デリシア、リッセのみ搭載されている丈夫な遠赤外線セラミックバーナー。焼き魚をおいしく焼くことができます。
また、フタ付きのココットプレートが同梱されるので、グリル調理後の後片付けも苦になりません。
※2024年4月1日～9月30日のビルトインコンロの機種別販売台数で、リッセシリーズの販売台数が1位となりました。（当社調べ）